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「副業の収入が増えてきたので、開業届を出したほうがいい?」
「開業届の住所は自宅でいいの?ネットショップに自宅の住所を載せたくない…」
会社員のまま副業を本格的に始めるとき、最初の手続きになるのが開業届です。この記事では、国税庁の案内をもとに、副業で開業届を出す手順と、住所の決め方をわかりやすく整理しました。
- 開業届の提出期限・提出先・出し方
- 副業でも開業届を出すメリット(青色申告など)
- 開業届の住所欄の考え方と、自宅の住所を公開したくないときの方法
- あわせて出したい青色申告承認申請書の期限
※2026年10月時点の国税庁の案内にもとづいています。税金の扱いは人によって違うので、くわしくは税務署や税理士に確認してください。
開業届とは?
開業届の正式な名前は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。新しく事業を始めたときに、税務署に「個人で事業を始めました」と知らせるための書類です。
副業でも、事業として継続的に収入を得ていくなら開業届を出すことができます。会社員を続けながら個人事業主になる、というイメージです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 個人事業の開業・廃業等届出書 |
| 提出先 | 納税地(ふつうは自宅の住所)を管轄する税務署 |
| 提出期限 | 事業を始めた年分の確定申告の期限まで |
| 出し方 | e-Tax(オンライン)、郵送、税務署に持参 |
| 必要なもの | マイナンバー、本人確認書類(e-Taxなら本人確認書類の提示・添付は不要) |
出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
以前は「開業日から1か月以内」と案内されていましたが、2026年10月時点の国税庁の案内では「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」となっています。古い情報の記事も多いので、最新の案内を確かめましょう。
副業で開業届を出すメリット
1. 青色申告ができるようになる
一番大きなメリットは、青色申告を選べることです。青色申告をすると、条件に応じて所得から最大65万円を差し引ける「青色申告特別控除」が使えます。
| 控除額 | 主な条件 |
|---|---|
| 65万円 | 55万円の条件に加えて、e-Taxで申告する、または帳簿を優良な電子帳簿として保存する |
| 55万円 | 複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書をつけて期限内に申告する |
| 10万円 | 上の条件にあてはまらない青色申告者 |
出典:国税庁 タックスアンサーNo.2072「青色申告特別控除」
なお、青色申告をするには、開業届とは別に「所得税の青色申告承認申請書」を出す必要があります(期限は後で説明します)。
2. 屋号で仕事をしやすくなる
開業届には「屋号」を書く欄があります。屋号を決めておくと、名刺や請求書、ネットショップで使いやすくなります。
3. 事業としての記録が残る
開業届の控えは、事業をしていることを示す書類の一つとして使えます。控えを残しておきたい場合は、提出前にコピーを取っておきましょう(控えにはマイナンバーを書かないよう、国税庁の記載要領で注意されています)。
副業で開業する手続きの流れ

- 事業用の住所を決める
名刺・請求書・ネットショップに載せる住所を決めます(くわしくは次の章)。 - 開業届を作る
国税庁のサイトから様式をダウンロードするか、e-Taxで作成します。質問に答えると届出書を作れるWebサービスもあります。 - 開業届を出す
e-Tax・郵送・持参のどれかで、納税地を管轄する税務署に出します。 - 青色申告承認申請書を出す
青色申告にしたい場合は、期限までに提出します。 - 帳簿をつけて、確定申告をする
翌年の確定申告で、1年分の所得を申告します。
開業届の主な記入欄
開業届には、次のような内容を書きます。
- 納税地(住所地・居所地・事業所等のどれかを選ぶ)
- 上記以外の住所地・事業所等
- 氏名・生年月日・マイナンバー
- 職業と屋号
- 届出の区分(開業)と所得の種類(事業所得など)
- 開業日
- 青色申告承認申請書などをいっしょに出すかどうか
- 事業の概要
書き方は、国税庁の「記載要領」で確認できます。
開業届をかんたんに作る方法
開業届は、国税庁のサイトから様式をダウンロードして手書きで作ることもできますが、「どの欄に何を書けばいいかわからない」という人には、質問に答えるだけで書類を作れるWebサービスが便利です。
利用料金は無料スマホでも作成OK青色申告の申請書も作れる
- 料金
- 登録・利用ともに無料(公式サイトより)
- 作れる書類
- 開業届、青色申告承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、青色事業専従者給与に関する届出書、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 使い方
- 弥生IDを登録 → 画面にそって入力 → 書類をダウンロード(PDF)
- 提出方法
- 印刷して、税務署に郵送または窓口で提出
- 注意点
- インボイス登録申請書は対象外。e-Taxで出したい人は国税庁のe-Taxを使う
- 開業届と青色申告承認申請書をいっしょに作れる
- パソコンがなくてもスマホで作れる
- PDFで保存でき、コンビニのコピー機でも印刷できる
- 弥生IDの登録が必要
- 提出は郵送か窓口(e-Taxでの提出には対応していない)
無料のID登録から始められます
開業届の住所はどうする?自宅を公開したくないときの考え方
納税地は、ふつうは自宅の住所
開業届の「納税地」は、ふつうは住民票のある自宅の住所(住所地)です。事業所の所在地を納税地にすることもできますが、その場合は別の手続き(納税地の変更に関する申出など)が関わります。迷ったら自宅のままにして、税務署に相談しましょう。
開業届そのものは公開されない
開業届に書いた住所が、一般に公開されるわけではありません。住所が公開されて困るのは、名刺・請求書・Webサイト・ネットショップなど、お客さんに見せる場面です。
特にネットショップでは、「特定商取引法に基づく表記」として事業者の住所を載せる必要があります。自宅の住所を載せたくない場合に使われているのが、バーチャルオフィスです。
- 追加の費用がかからない
- 郵便物をそのまま受け取れる
- ただし、名刺やネットショップで自宅の住所が公開される
- 自宅の住所を公開しなくて済む
- 都内などの住所を名刺・サイトに載せられる
- 月額料金(年払いで月1,000円前後〜)と郵送料がかかる
バーチャルオフィスの住所は、開業届の「上記以外の住所地・事業所等」の欄に事業所として書くこともできます。ただし、契約が成立する前にその住所を使ってはいけないので、先に契約を済ませておきましょう。
青色申告承認申請書の提出期限
青色申告をしたい場合は、開業届とあわせて「所得税の青色申告承認申請書」を出します。期限は開業した日によって変わります。
| 開業した日 | 青色申告承認申請書の期限 |
|---|---|
| 1月1日〜1月15日 | その年の3月15日まで |
| 1月16日以降 | 開業した日から2か月以内 |
出典:国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」、開業届の記載要領
期限をすぎると、その年は青色申告ができません。開業届といっしょに出してしまうのが一番確実です。
副業で開業するときの注意点
- 会社の就業規則で副業が認められているか確認する
- 給与を1か所から受けている会社員は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要(国税庁 No.1900)
- 所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあるので、お住まいの市区町村で確認する
- 事業をしている人は、白色申告でも記帳と帳簿の保存が必要(開業届の記載要領より)
- 開業届を出したからといって、すぐに税金が増えるわけではない(税金は所得に対してかかる)
よくある質問
開業届を出すのにお金はかかりますか?
国税庁の手続き案内には、手数料の記載はありません。e-Taxや郵送で出すこともできます。
開業届はいつまでに出せばいいですか?
2026年10月時点の国税庁の案内では、事業を始めた年分の確定申告の期限までです。ただし、青色申告承認申請書には別の期限(原則、開業日から2か月以内)があるので注意しましょう。
バーチャルオフィスの住所で開業届を出せますか?
事業所として、開業届の「上記以外の住所地・事業所等」の欄に書くことができます。納税地をどこにするかは、税務署に確認すると安心です。なお、許認可が必要な業種では、バーチャルオフィスの住所が使えない場合があります。
まとめ
- 開業届は事業を始めた年分の確定申告期限までに、納税地の税務署へ
- 出し方はe-Tax・郵送・持参の3つ
- 青色申告をするなら、青色申告承認申請書を原則2か月以内に
- 納税地はふつう自宅。名刺やネットショップに載せる住所は、バーチャルオフィスという選択肢もある
参考:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」「A1-6 所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する手続」、タックスアンサーNo.2072・No.1900、個人事業の開業・廃業等届出書の書き方(2026年10月19日確認)


