TikTok(バイトダンス(ByteDance)_「きっかけが流れてくる」キャンペーン

マーケ事例

今回紹介する事例

基本情報

今回紹介するのはSNSアプリのTikTokが俳優の賀来賢人さんを起用した「きっかけが、流れてくる。」キャンペーンです。
SNSアプリの中でも存在感を増してきており、
「若者だけが使う」SNSから、「老若男女問わず使える」SNSを目指していることがうかがえるような施策内容です。
今回の記事を読んでいただくことで、
”成長が鈍化してきたブランドが、さらに成長をするため”に参考になるヒント・気づきがあれば幸いです。

  • 企業:TikTok(バイトダンス(ByteDance)
  • キャンペーン:きっかけが流れてくる
  • 時期:24年09月~

WHO (ターゲット)

まだTikTokを使ったことがない30代以降の方

TikTokをまだ使ったことがない”サービス認知者×未利用者”をターゲットにしていそうです。

  • TikTokは10代が暇つぶしに使うメディアだと思っている人
  • 時間を浪費するためだけのメディアだと思っている人
  • 動画メディアといえばyoutubeと思っている人

WHAT to say (伝えたいメッセージ)

TikTokは「人生を豊かにするきっかけを提供してくれる≒意味のある時間を提供してくれるメディア」

今回のキャンペーンでは、複数CR・タッチポイントがありますが、
共通して・・・・
「(TikTokは面白コンテンツが流れてくるだけでなく)、
何かを始めるきっかけ・新しい出会いをくれるメディア」

であることを訴求しています。

このメッセージを届けていくことで・・・・
今までは「単なる時間つぶしの動画メディア」

これから「人生を豊かにするきっかけ・意味のある時間を提供してくれるメディア」

という認識変化を起こすことを狙っていることがうかがえます。

HOW to say/to deliver (メッセージの伝え方/配信方法)

基本情報

  • 配信メディアはWEB広告が基本(youtube,metaなどの恐らくTikTok以外のSNSメディア中心)
  • クリエイティブは賀来賢人さんを起用した動画クリエイティブをマス的に活用
  • そのほかのクリエイティブとして賀来賢人さん起用のグラフィックとUGC風広告を展開している

TikTokを見ていてつい動画と同じことをしてしまう、という経験は多くの人が持っているのではないでしょうか。美味しそうなラーメンの動画を見て夜ご飯をラーメンにしたり、旅行の動画を見て次の行き先を決めたり。今回のCMでは、そんな誰もが共感できる生活のワンシーンを豪快に、爽快感あふれる様子で表現しています。TikTokで見た動画に合わせて1日が目まぐるしく展開していく様子を、賀来さんの思い切った演技と合わせて、ぜひお楽しみください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001073.000030435.html

共通メッセージ「きっかけが、流れてくるメディア。」でキャンペーンに統一感を持たせる。

今回メインの広告クリエイティブである賀来賢人さん起用のWEB動画をはじめ、
metaでの広告なども実施していますが、
どのタッチポイントで「きっかけが、流れてくる。」を共通メッセージで展開していることがポイントです。

下の動画は賀来賢人さん起用のWEB動画です。
最初に飛び込み台から飛び込むシーンから入ることで「なんで賀来賢人さんがこんなことしているの?」と「??」を作り視聴者に興味を持たせる工夫をしているクリエイティブの面白さも勉強になります。
そこに加えて、実際にTikTokで流れているリアルコンテンツを用いながら、
どのようにきっかけを作っているかをクリエイティブの中に組み込みながら、
一つの動画の中に「きっかけ」を複数組み込んでいることに、
明確な目的意識を持った取り組みであることが見て取れて、とても参考になります。

賀来賢人さんのグラフィックのクリエイティブでも、

  • 体をきたえる
  • 旅する
  • 料理する
  • 趣味を始める

など複数の”きっかけ”を提示しています。

さらに、SNS上(Meta)での広告展開時にも賀来賢人さんの広告クリエイティブ同様に「複数のきっかけ」を軸にしたクリエイティブを展開していました。
賀来賢人さんのクリエイティブでもあった「体を鍛える(動かす)」「旅する」「料理する」以外にも

  • 体をケアする
  • 仕事に役立つ
  • 学ぶ
  • 音楽をしる

・・・

以上のように、複数のクリエイティブ・タッチポイントがありながらも
wha to say「何かを始めるきっかけ・新しい出会いをくれるメディア」
How to say 「きっかけが、流れてくるメディア。」

をブラさずに展開しています。
これを実現できるのはキャンペーンを実施する明確な目的意識があるからこそだと思います。

結果 (成果)・まとめ

複数のCEPを広げるときにも共通メッセージを使うことでブランド資産をためていく

ブランドの成長においては「浸透率を高めていくことが重要」とバイロン・シャープ教授が『ブランディングの科学』で述べていますが、
今回のTikTokの「きっかけが、流れてくる。」キャンペーンはまさにこの「浸透率」を高めるための取り組み事例の一つになるのかと思います。

「体を鍛える」「旅する」など複数の「CEP」を広告を通して提示することで、
使ってほしい人に何かしらマッチすることで、「TikTokを使ってみよう」という人が増える可能性が増えます。
ここでポイントになるのが、単純に複数のCEPを提示することではなく「きっかけが、流れてくる。」という共通メッセージを使っていることにあると思います。
仮に提示していた「体をきたえる」「旅する」というCEPがマッチしていなかったとしても、
「きっかけが、流れてくる。」を共通で届けておくことこで、「何かを始めるきっかけ・新しい出会いをくれるメディア」という認識の土台が少しづつでも醸成されると思います。
その土台がある中で、
マッチする「学ぶ」というCEPにつながる広告コンテンツに触れたときには
「TikTokは学ぶ”きっかけが、流れてくる”SNSだから使ってみよう」と行動に移してくれる可能性が高くなるはずです。

ブランドの成長において「CEPを増やすこと」と「浸透率を高めること」は欠かせません。
今回のTikTokのキャンペーンのように
「統一したメッセージを展開しながら、CEPを増やす」フレームは今後の施策立案の際に参考になるかもしれません。

参考ページなど

公式リリース
https://newsroom.tiktok.com/ja-jp/tiktok-cm

キャンペーンリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001073.000030435.html

ブランディングの科学

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